留学生からの便り(M.A.さん)

国際基督教大学 教養学部アーツアンドサイエンス学科 3年
University of Queensland に交換留学生として在学中
(筆者 後列 左からの2人目)

アーブル卒業生のA.M.です。

私は今年の2月からオーストラリアのブリスベンにあるクイーンズランド大学に交換留学に来ています。

早いもので到着から約9ヶ月が経ち、留学生活も残り1ヶ月を残すところとなりました。

まだ終了してはいないのですが、振り返ると、新しい経験ばかりさせていただいたなと感じます。まず、日本以外の国に長い間住んでみるという経験。オーストラリアは多様な人種が集う国で、アジア人そして日本人も多く住んでいるためあまり「海外!」という感覚が無かったけれど、英語が公用語である国で約1年間生活できたことは大きな自信になりました。英語が公用語である大学で、日本人ばかりでない人たちの中で揉まれながら当たり前のように英語を使って勉強できていたことも。人種が多様であるということは文化もそれだけ多様であり、それらが共存している国で「日本人」として暮らすことは時に難しかったけれど、世界の中で日本がどのように見られているか、日本人として何を期待されているかなど、日本にずっといたのでは得ることのできなかった学びを、視点を、たくさん得ることができました

 

次にインターナショナルなに住んでみるという経験。一緒に暮らしてみて初めてわかることもたくさん!正直、ここに来るまで私は中国と香港がこんなに違う二国だと知りませんでした。世界ではしばしば「アジア人」と一括りにされることもあるけれど、それぞれの国にそれぞれのアイデンティティがあることを、カルチャー色の強いに住んでみて改めて感じました。様々な国の素敵なところ、そしてリアルを知ることができた、これも日本にいたのではできなかった学びでした。高校を卒業しある程度大人に近くはあるけれども、まだまだ未熟で不完全な、共に課題や人間関係に苦しむ大学生同士だからこそ構築できた関係もあったのではないかなあと私は考えています。

 

最後に、自分の人生の価値観・使命みたいなものについて、こんなに深く長く考えたのもきっと初めてでした。出発前も、生まれ育った日本を出て、2年間通った大学を出て、約10ヶ月「海外で」学ぶ、という選択は決して簡単なものではなかったし、こちらに来てからも、日本の大学の同級生の「みんな」とは違ったことをしている自分を信じることができなくなり、両親や友達に泣きながら電話をかけたこともありました。大学で2年間「普通」なんて無いんだ、「普通」になろうとしなくていいんだ、といったことを勉強して飛び立ったはずなのに、いざ就職活動というなんとなくプレッシャーを感じる話題が自分にとって現実的になって来ると、なんとなくの焦りと不安で本当に大切なものが見えなくなっていたんですね。そこから立ち直ることができたのは、私が今している経験は「誰もが『したい』と思って選択できるものではない」という、私の尊敬する人の言葉でした。今の社会で「普通」「みんなと同じ」そんなものは求められていない。それがどんなに「大切そう」に見えても、自分は「これは違うのでは」と思うことは、きっとするべきでない。逆に自分が本当に大切だと思うことに対しては努力を惜しむべきではない。このように考え方をシフトすることができたその後は、そんな「誰もが『したい』と思って選択できるものではない」経験をさせてもらっている私には何ができるかを考える日々となりました。

 

約9カ月の留学生活は新しい経験がとにかくたくさん溢れていて、私の人生の中の「とある一章」のようなものになりました。皆さんも幼稚園よりは小学校、小学校よりは中学校・・・というように自分の世界が広がるに連れて、視えるものや考えること、興味のあるものが変わってきたのではないでしょうか。だから、もしそこにチャンスがあるならば、ぜひ新しい世界にどんどん挑戦していったら良いのではないかなと私は思います。そう考えるようになりました。そしてそういったチャンスが自分に向いてくれるように日頃からしっかり努力しておくことが大事なのではないかな。長くなってしまいましたが、これが留学生からの便りです。

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